白老町虎杖浜の看護師で助産師の長島英津子さん(50)は5月1日、産後の母子の体調管理や育児を支援する源泉掛け流し温泉付き宿泊型助産所「みなも」を自宅敷地内に開業する。分娩は取り扱わない。宿泊できる産後ケア施設の開業は日胆地域で初。今月27、28両日に内覧会を開き、施設見学や利用希望者からの質問に応じる。
虎杖浜生まれの長島さんは市立室蘭看護学院で看護師、道立衛生学院(札幌市)で助産師の資格をそれぞれ取得し、新日鉄室蘭総合病院産婦人科やとまこまいレディースクリニックに勤務した。勤務経験や双子の出産で産後の母親の体調や精神面のケアが大切だと痛感し、開業への構想を温めてきた。
本業の傍ら、自主的に産後の母親の家を訪問してケアするなどの活動をスタートし、2018年には町社台に子育て支援のママカフェを創設、60人ほどが利用している。助産所開設は、小さな町で運営できるか不安もあったが、母親たちとの交流を重ねる中で「母親の気持ちに寄り添い、元気にする施設にしよう」と決断。自身の母が暮らした自宅隣の木造2階建てを改装した。
「みなも」は「笑う」を意味するアイヌ語「ミナ」と虎杖浜の海の「水面」にちなむ。母親たちを笑顔にしたい―との思いを込めた。部屋は1、2階に1部屋ずつ。お風呂は源泉の掛け流し。訪問、通所にも応じるが「母親としっかり向き合う時間を多くつくれる」と宿泊にこだわった。道地域医療推進局医務薬務課によると、入所施設を備えた助産所は3月1日時点で道内に12カ所あるが、いずれもお産を取り扱う施設で、産後ケアに特化した助産所は珍しい。
27、28両日の内覧会は各日午前10時~午後4時、無料で予約不要。自由に内見できる。利用料(町の助成適用による自己負担額)は、課税世帯の町民1泊2日(平日のみ、午前11時~翌午前10時)3食付きで4400円から、非課税・生活保護世帯は同2400円から。助成適用は通所を含め5回まで。
詳細、問い合わせは町健康福祉課 電話0142(85)5541、または「みなも」 携帯電話080(6207)0370、メール(jyosanin.minamo0510@au.com)。