苫小牧市でもやっと春の訪れを感じるようになり、早いものでゆのみの執筆も、残すところ、今回を含め、あと2回となった。
前回も触れたように、時間がたつのは早いものだ。この原稿の締め切り日には、11月に予定されている市民参加演劇祭を取り仕切る実行委員会の打ち合わせがあった。実行委員からすれば、これから約半年もの間、市民参加演劇祭と向き合うことになる。会場は市文化会館になる予定だ。
ご承知の通り、市内では市民ホールが新たに建設されて、予定では2026年3月にオープンし、市文化会館と市民会館の機能はそちらに移される。毎年秋に苫小牧市民文化祭の一環として、市文化会館で開かれている市民参加演劇祭にも、影響はあるだろう。文化祭が今後どのように開催されていくのかはまだ分からないが、場所が変わったとしても、演劇祭はこれまでと同じような形で続けていきたい。ただ、施設の管理者や行政の所管部署も変わるので、見通しを立てるのは難しい状況だ。
何十年と継続させてきた市民の文化活動のともしびが、もし途絶えることになるとしたら、一市民として残念だ。市民が舞台に触れる機会が激減している中、小劇場で活動する劇団も、ホールで活動する劇団も大切な文化団体であり、市民がホールで舞台に立つ機会もなかなかないからである。
未来に続くまちの文化活動のため、委員長をはじめ、私たち実行委員は心に火を灯し、これから行政へ出向くことにしている。
(舞台演出美術家・苫小牧)