安平町教育委員会は、町早来地区の小中一貫義務教育学校「早来学園」内にある図書室(通称まなびお図書室)の2023年度利用実績をまとめた。利用者数は2万805人で、比較可能な21年度の早来公民館図書室時代の4427人に比べ、4・7倍増となった。大幅な増加について町教委は「今まで図書に興味、関心のない人が本を借りるようになった」と説明する。
まなびお図書室は、23年4月1日にオープン。統合した同地区の4小中学校の図書室と早来図書館(早来町民センター内)の蔵書約5万冊を集約し、同校の児童生徒を含め、町内外の人が利用できる。
利用者数は、早来公民館図書室が22年度に一時閉室(22年11月~23年3月)したため比較対象から外し、21年度と比較した。新規登録者数は23年度が212人で、早来公民館図書室時代(21年度)の47人から4・5倍に増加した。貸し出し冊数も23年度2万1608冊で、21年度の1万9134冊から13%増、本を借りた人数は6555人で21年度の3693人から77%増えた。
図書室では、漫画や絵本、小説、料理本など幅広い本が貸し出されており、児童、生徒のほか、同校の体育館を使用する団体などのメンバーが活動時間の前後に図書室を訪れ、読みたい本を借りる流れができている。
町は旧早来町と旧追分町の合併や18年9月の胆振東部地震、人口減少などを踏まえて町内の公共施設の整理を進めており、町教委はまなびお図書室について「学校の建物内に図書館を置いたことで、幅広い年代の子どもが本を手に取るなどメリットが生まれている」と話している。
同校では、図書室のほか、家庭科室(キッチン)、美術室(アトリエ)、体育館などが地域スペースとして一般に開放されている。住民、団体、企業のイベントなどで、23年度は計約1400件の利用があったという。24年度もさまざまな利用を想定しており、町教委は「新しい活用方法はまだあり、可能性に満ちている」としている。