白老町の産業経済課の元職員が農林水産課に在籍していた際に町の財政援助団体の活動資金から9万円を私的流用していた問題で、町は19日、元職員が同水産課に在籍していた期間にほかにも計496万9000円を私的に流用していたことが分かったと発表した。2020年6月までに全額が返済され、元職員が死亡していることから、本人への懲戒処分は行わない方針。
町によると、9万円の流用が明らかになった今年2月以降、農林水産課に在籍した18年4月からの会計帳簿などを追加調査していた。このうち18~20年度の帳簿などに不明な箇所が見つかり、関係者への聞き取りなどから新たな流用が分かった。元職員が事務局として関わった水産関係2団体の口座から、26回にわたり496万9000円を引き出していたという。
町は、この期間に同課の課長職にあった50代の男性職員3人の監督責任を問い、18日付で減給10%、1カ月の懲戒処分とした。大塩英男町長は3月28日までに団体関係者を訪問し、説明と謝罪を行った。再発防止に向けては、通帳と印鑑の管理者を分けるなど管理、点検体制をまとめた「準公金等取扱規程」を5月末をめどに定める。
大塩町長は「率先して法令を順守し、指導すべき立場の職員が不適切な行為を行い、町民の信頼を損なう事態となった。心からおわび申し上げ、信頼回復に向け職員一丸となって職務に専念する」としている。町職員の懲戒処分は19日、事実の概要と合わせて町のホームページで公表した。