むかわ町穂別地区の公私連携保育所型認定こども園、さくら認定こども園(久保田真剛園長)を運営する同地区の宗教法人真光寺は19日、同園で保護者説明会を開いた。保育士の配置数が足りないなどとして、町から2023年に2回、改善勧告を受けた中、保育士数は国の基準で満たしていると説明。保護者からは情報の周知などで要望や質問が相次いだ。
同法人は町と保育方針などを記した協定を21年に結び、同園を運営する。町からの改善勧告は昨年の9月と12月、職員数の不足や保育士へのパワーハラスメントの疑い(パワハラ)などで受けた。
説明会には保護者ら約30人が出席。同園の運営についてコンサルとして関わる全国認定こども園協会の加藤泰和副代表理事が、保育士数について、園に在籍する園児51人に必要な保育士は国の基準で7人で、現状は非常勤職員などを換算すると9・4人となり、基準を満たしていることを説明した。
質疑応答で、保護者からは「今年度、合同保育(異年齢児が一緒に活動する保育)で子どもが2回けがをした」「パワハラについて説明してほしい」などの意見や質問が出された。職員らは「保育士が見ていたが、一瞬の動きで対応できなかった。本当に申し訳ない」「現在、弁護士と社会保険労務士を中心とした第3者委員会を立ち上げ、調査を進めている」と説明した。
保護者の思いはさまざまで、2人の娘を預け、7月に3人目が入園する予定の公務員男性(34)は「コンサルの方ばかり回答していた。園長の声をもっと聞きたかった」と複雑な表情。2人の娘を預けている女性(39)は「安心安全なこども園に戻して」と訴える。
一方、職員として園で働きながら娘を預けている女性(27)は「複雑な思いだが、勤め始めた2年前は古い管理型保育だった」と振り返り、「先生たちで考え、新しい保育を取り入れてきた。(保護者として)不安はあるが、改善を目指したい」と話した。
久保田園長は「保護者の要望で説明会を開いた。頂いた意見を踏まえ、職員で話し合いを進め、安全な保育に努めていきたい」と話した。