あの小学生は今

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  • 2024年4月19日
あの小学生は今

  スケートのまち苫小牧に住む記者として、一頃はアイスホッケーに励む小学生に数多く取材した。練習、そして試合と、氷上でパックを一心に追う様子をふいに見ると、いつも感動する自分に気付く。幼い頃にいつかトップリーグ選手になりたい思いを抱いた者として、今、夢を追い掛ける小さな姿を応援したくなる。

   時まだ平成で当時小学6年生だった主将が市役所でチームの全道優勝達成を報告した。苦難の末の栄冠獲得で「みんなが団結して諦めなかったから」と言った。その少年は現在36歳の久慈修平さん。

   これは1990年代に王子製紙チームのある主力選手から聞いた。現役当時に懇意だった市内の友人宅に遊びに行くと、一家の幼い兄弟二人から日本リーグに関した質問攻めに遭い、一緒にアイスホッケーのテレビゲームで遊ぼうとせがまれたそうだ。その「弟」こそ現在36歳の山下敬史さん。両氏はレッドイーグルス北海道に所属していた苫小牧っ子選手。

   フォワード久慈、ディフェンス山下として攻守を支え、存分に戦った。チームが今週、二人の退団を発表し、やや寂しさを感じたが、両人はこれからも長い人生航路を切り開く人たちとみる。この地で成長を見続け、記者職の妙味を与えてくれたわがヒーローズに感謝する。(谷)

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