国の特別天然記念物のタンチョウが3羽、16日に白老町を流れる白老川下流域の河川敷で確認され、町民がカメラに収めた。白老の自然環境に詳しい中野嘉陽さん(83)によると、町内での目撃情報は過去にあるが、写真で記録されることは珍しい。「タンチョウは家族の結束が強い。町内での営巣は確認されていないが、親子と考えられる」と語る。
タンチョウは道東を中心に生息し、近年はむかわ町、苫小牧市など道央での繁殖、越冬も確認されている。今年は西胆振の伊達市での目撃例もあった。
白老では、2021年2月ごろに牧草地で目撃されたが、写真などに残っておらず、別の例ではダイサギなどとの見間違えもあった。白老川の3羽は町大町の髙橋真希さん(51)が運転中に見つけ、写真を撮った。いずれも尾が黒いタンチョウの特徴が表れている。
中野さんは「親子であるなら、白老がタンチョウにとって安心して子育てできる環境であることを願っている。繊細な生き物なので、見つけても近づかず、遠くから温かく見守って」と呼び掛ける。
=16日午後6時20分ごろ(提供)