私はちょっと変わった声をしていると言われる。久しぶりに会った高齢の方には、顔を見ても分からなかったけど、声で分かったよと言われたこともある。どんな声なの？と言われると、自分で、ましてや文字にするのは難しい。私にとって、声はちょっとしたコンプレックスだ。

　そんな私が4月から、コミュニティーFMラジオ局「FMとまこまい」で認知症ボランティア団体の仲間とラジオ番組を始めた。「ココロズラジオ～とまこまい介護・福祉のおはなし」という番組名だ。FMとまこまいは、その名の通り「市民（みんな）が主役のFMラジオ」ということで、たくさんの市民がパーソナリティーをされており、個性豊かな番組が並んでいる。

　番組の中では「介護エピソード」や「思い出の一曲」というテーマで皆さまから話題や曲を募集している。介護エピソードでは、介護はしんどいけれど、こんなほっこりするようなこともあったよ―など、聞いてくれている人たちが自然に介護について考えることになるようなお話をしている。思い出の一曲のコーナーでは、介護をしている時に聞いて励まされたあの一曲や、おじいちゃんとの思い出の一曲などを放送している。歌と一緒に、その歌のエピソードも紹介し、ちょっとしんみりしたり、ほほ笑ましく感じたりしていただけたらと思っている。

　ココロズラジオ。話しているのは声に自信が無い私と、優しい口調ですてきな声の仲間の2人だが、内容はエピソードや思い出を紹介するコーナーを多く設定しており、皆さんの声を私たちが届けているという気持ちでいる。皆さんの声を通して、みんなでつくるラジオ番組になれたらうれしい。

　（コミュニティナース・苫小牧）