高齢者を対象にした調査で、歯の本数が少ない、かみにくい、口が乾燥するといった口腔(こうくう)機能の低下が、体重減少だけでなく増加にも影響を及ぼす可能性が示されたと、東北大大学院の研究グループが発表した。
歯が少ない人は体重が減少することが報告されているが、その他の口腔機能低下が体重に及ぼす影響は分かっていない。研究グループは、2016、19年の大規模調査に参加した高齢者6万3602人のデータを解析。口腔機能の低下と3年間の体重変化との関係を検討した。
その結果、歯が20本以上ある人に比べ、9本以下の人は体重減少リスクが1・17倍、体重増加リスクも1・23倍と高かった。かみにくさ、口の乾燥がある人でも体重減少と増加両方のリスクが高かった。
研究グループは「口腔機能が低下したことで、軟らかくカロリーが高い加工食品などを多く摂取した可能性がある」と考察している。
(メディカルトリビューン=時事)