むかわ町は、公共交通に関する取り組み方針を定めた「町地域公共交通計画」を策定した。期間は今年度から28年度までの5年間。人口減少や鉄道利用者の減、バスの運行経費の増加など課題がある中、公共交通ネットワークの再構築、安定的な運行の維持を目指す。
計画の基本理念に「人と地域の心をつなぐ地域公共交通~むかわならではの持続可能な移動の実現~」を掲げた。
基本目標は▽公共交通ネットワークの再構築・利便性の向上▽高齢社会に対応した交通環境の整備▽バス・タクシーの安定的な運行の維持―など7項目。事業は▽利用者ニーズに応じた運行ダイヤなどの見直し▽公共交通を活用した通学手段確保対策の検討(高校生対象)▽JR鵡川駅の機能強化―など17事業を展開する。
公共交通ネットワークの再編・利便性の向上は、広域アクセスに配慮しつつ、既存バス路線の再編、ルート変更の検討、利用者ニーズに応じた鉄道・バスダイヤの見直しなどを行う。バス・タクシーの安定的な運行の維持は、運転手確保対策の推進、車両の小型化による維持費の削減を進める。
28年度の利用者数の目標として、JR日高線で1日356人、バスの新千歳空港直行便で年間861人、穂別鵡川線で年間1万1338人などを挙げ、人口減少に伴う利用者減の抑制に力を注ぐ方針。
町は、地域公共交通の課題について▽将来のまちづくりを踏まえた交通網が必要▽高齢者などが移動しやすい環境が不十分▽公共交通関連経費が増加傾向―など5項目に分類した。
町は「地域公共交通は移動の足の確保だけでなく、移住定住の促進、交流、関係人口の増進など、まちづくりを支える重要な基盤」と指摘。住民や事業者、行政がそれぞれ協力する必要があるとし、「二つの拠点市街地と周辺に農村集落が点在する特性を踏まえた、町ならではの取り組みが求められている」としている。