むかわ町は12日、穂別地区の公私連携保育所型認定こども園「さくら認定こども園」で保育士へのパワーハラスメント(パワハラ)があった恐れがあるなどとして、運営する宗教法人真光寺に対し、2023年9月と12月の2回、改善勧告を行い、事実確認を求めたことを明らかにした。同法人では第三者委員会を設置し、弁護士による調査が進められていることを説明した。
同日の町議会総務厚生常任委員会で報告し、指導勧告の書面、町と同法人が21年12月に締結した協定書などを資料として提出した。
勧告では、1回目にパワハラのほか「主任保育士が恒常的にクラスに入っており、職員数が足りていない」など11項目について、2回目に「幹部による不適切保育が確認された」など6項目について改善を求めた。園からは23年10月に改善等理由書、24年2月に回答書が提出されている。
パワハラは主任保育士への叱責や時間外の訪問行為などを複数の保育士から聞き取って確認し、早急に相談窓口と第三者委員会の設置を求めた。不適切保育は、保育室の園児の前での保育士の叱責、けがをした園児の記録処理などで確認されたとしている。
町は「ハラスメントを認定する立場にはない」とした上で、調査の結果「園児の前で保育士へのハラスメントがあれば虐待だと思う」と受け止めており、保護者の不安を解消するため、今後、町と運営法人、保護者の3者で会議を開く方向で調整を進めているという。
第三者委員会による保育士や法人への聞き取り調査は今月中に終え、5月以降に結果が報告される見通し。