とまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域、宮田広幸組合長)の通常総代会が10日、厚真町総合福祉センターで開かれた。組合員96人が出席し、2024年度事業計画案など議案10件を可決。生産資材の高止まりや人手不足など厳しい状況の中、農業の魅力を発信し、JA事業への組合員の理解を進めることを決めた。
宮田組合長は「『時代の嵐に立ち向かい、地域を守る協同の力』をスローガンに事業展開をしていく」とあいさつ。宮坂尚市朗町長は「自分たちの農業に誇りを持ち続けていただけるよう、しっかりサポートしていきたい」と述べた。
24年度事業計画は、経営所得安定対策交付金などを含め、販売取扱額を前年度実績に比べ3億円減の138億円(農業57億円、そ菜園芸20億円、酪農畜産61億円)とした。購買取扱額は72億円、店舗取扱額は4億6000万円に設定した。肉牛市場価格の低迷などにより厳しい品目もあるが、新型コロナウイルスの影響からの回復を目指す。
23年度の事業実績は、農畜産物の販売額が124億円。経営所得安定対策交付金などを含めると141億円となった。
昨年度は、春先の天候が良く農作業は順調に進んだが、夏場は猛暑による記録的な高温多湿の影響を大きく受けた。水稲の作況指数は104(やや良)となったが、白未熟米が発生し、高たんぱく傾向になった。
畑作では、大豆の品質が著しく低下し、てん菜の収量、糖分も低めとなった。そ菜園芸部門では、異常気象の影響でカボチャやメロン、長イモなどが高値で取引された。畜産は飼料価格の高止まりが続き、生乳の生産抑制や牛肉の需要低迷に至ったが、養豚は国際情勢と猛暑により高値で推移した。