むかわ町穂別の穂別高校(岩瀬均校長)は8日、最後の入学式を同校体育館で行った。道教育委員会の公立高校配置計画(2023~25年度)で25年度に同校の募集停止が明記されたため、新入生を迎えるのは今年限りとなる。生徒1人だけの入場を保護者や来賓、教職員らが温かく見守り、拍手で祝った。27年3月に閉校となる。
最後の新入生となった田中聖樹(せな)さん(15)は新入生宣誓に臨み、「勉学に励み、高校生活を悔いなく充実したものにするよう、努力することを誓います」と力強く述べた。
式辞で岩瀬校長は「心配なこともあるだろうが、頼りになる上級生や教職員が君を見守り、困り事にも寄り添い、相談できる」と語り掛け、「人との出会いを大切に、豊かな自然の中で、できることを本気で取り組んでほしい」と激励した。
来賓の鎌田政博PTA会長は高校生活に多くの困難が待ち受けていることに触れ、「自分を信じ、人々とのつながりを大切にしてほしい。積極的にコミュニケーションを取り、学びの成果を共有しよう」と呼び掛けた。先輩や教職員、地域住民など支えてくれる人が大勢いることも挙げ「学校生活を大いに楽しみながら、課題に挑戦し、成長してほしい」と祝辞を述べた。
式の終了後、田中さんは教職員と向かい合ってあいさつを交わし、再び出席者の拍手に送られて退場した。