安平町は、脱炭素化に向けた取り組みを進め、町民や事業者の意識醸成を目指す「地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」を策定した。計画期間は2024年度から30年度までで、同年度までに温室効果ガス排出量を国が基準とする13年度比で50%削減する目標を掲げた。
目標達成に向けた取り組みは、再生可能エネルギーの導入促進、省エネルギーの促進、エネルギー転換の推進、ゼロカーボン(脱炭素)シティ実現を支える仕組み―の4項目。取り組み内容には、太陽光発電設備の導入、エネルギー機器の電化推進、脱炭素型業務の実施徹底など11項目を挙げた。
主な施策は、町有地の建物の屋上や駐車場などへの太陽光発電設備の設置、省エネを目的とした公共施設の照明のLED(発光ダイオード)化やエネルギー効率の高い空調設備の導入。災害への対応や脱炭素化に向け、再生可能エネルギーで発電後、蓄電池などで電力量をコントロールすること、エネルギーの地産地消ができる仕組みとして、地域マイクログリッド構想を推進することも盛り込んでいる。
町の22年度の温室効果ガス排出量は、13年度の3304トンから12%減少した2891トン。内訳では電力利用が全体の55%で最も多く、A重油が31%、灯油が12%となった。町は1月にゼロカーボンシティ宣言をしており、化石燃料(A重油、灯油、ガソリン、軽油)の直接的な利用を減らして電力に置き換え、再生可能エネルギーで発電した電力の供給で脱炭素化を実現する方針だ。
同計画は、国の地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画として策定した。同実行計画は事務事業編と、地域全体で排出される温室効果ガスの排出量を削減するための区域施策編があり、町は24年度に区域施策編を策定する。