厚真、安平、むかわの3町で1日、2024年度地域おこし協力隊員への委嘱状交付が行われ、計15人が活動をスタートさせた。着任した隊員たちはそれぞれ地域支援や起業の目標を語り、町での活躍に意欲を見せた。
地域おこし協力隊は、主に都市部から過疎地域へ移住し、地域ブランドや地場産品の開発・販売、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行い、地域への定住・定着を図る取り組み。任期は1~3年で、隊員は自治体から委嘱を受ける。
厚真町では、農業支援員3人、起業型2人、協働型2人の計7人が宮坂尚市朗町長から委嘱状を受け取った。浜松市から来町した会社経営の上村陽介さん(38)は「釣り人にとって北海道の渓流釣りは憧れ。厚真町で送迎やガイドをし、いずれはゲストハウスを造りたい」と構想を明かす。札幌市から来た会社員藤田千愛(ちなり)さん(21)は「今月、上厚真にコンビニエンスストアが開店する。町民が集まる場所を目指したい」と語った。
むかわ町でも竹中喜之町長が隊員2人に委嘱状を交付した。東京から移住した八倉歩さん(23)は、公営塾で鵡川高校の地域みらい留学(高校生対流促進事業)で来町した留学生支援などを行う予定で、「生徒にむかわ町を好きになってもらう活動がしたい」と抱負を述べた。山口県から来た佐藤龍助さん(46)は、むかわ地域商社「M Dino」(エムディノ)に派遣される。「恐竜が好きで、過去に商品開発に関わった経験を生かしたい」と意気込んだ。
安平町では、町の会計年度任用職員となって活動する隊員6人を及川秀一郎町長が激励した。6人は札幌市や福岡市、愛知県、埼玉県から地域おこし隊に参加。早来学園のまなびおでの図書館のコンシェルジュや介護施設の勤務、NPO法人の立ち上げなどに携わる。町は「即戦力になる方が多く、課題解決や企業経営強化に取り組んでほしい」と期待を寄せた。