JR根室線の富良野―新得間(81・7キロ)が31日、営業運行を終了し、117年の歴史に幕を下ろした。沿線の駅には地元住民や鉄道ファンが集まり、別れを惜しんだ。
ドラマ「北の国から」のロケ地である布部駅(富良野市)では、午前中に地元の有志によるセレモニーが開催された。脚本を手掛けた倉本聰さん(89)が駆け付け、JR北の社員に花束を渡した。倉本さんは「寂しい。50年前、誰もいないストーブのある待合室で1人座り込み、『北の国から』の構想を練った」と当時を振り返った。
セレモニーを企画した布部地区連合会会長の渡辺良一さん(71)は「幼少期、線路沿いに住んでおり、夜中に走っていた貨物列車の音が子守歌だった」と懐かしんだ。駅舎について「どんな使い方でもいいから、建物を残してほしい」と話した。
富良野―新得間は利用者数の減少を理由に廃線が決定。今後、同区間の全てで代行バスによる運行に切り替わる。