勇退校長(7) 凌雲中学校 前田 辰夫さん 明るく楽しく通う

  • 勇退校長インタビュー, 特集
  • 2024年3月28日
勇退校長(7) 凌雲中学校 前田 辰夫さん 明るく楽しく通う

  大学卒業後、一度は民間企業に就職したが「好きな日本史の勉強を続けたい」と社会科教員を志した。

   京都市出身。仏教大学卒業。教員生活は苫小牧啓北中学校で始まり、苫小牧市の2校と安平町で社会科教員、同市と平取町で教頭。市教育委員会で生徒指導主幹を務め、凌雲中学校の校長となった。

   教育者として伝えてきたのは「明るく楽しく通う」。教頭時代の赴任校で生徒に不慮の事故があり、以来、このことを重視してきた。さらに「一つでも学んで帰る」。毎日一つでも学習するという小さな積み重ねが、やがて大きな力になることを言い続けてきた。

   仕事との向き合い方については「評価は他人がするもの」とストイックに捉え、「自分が頑張って努力しても、自己満足にすぎない。子どもたちや教員が、見えないところで自分を評価していることを忘れてはいけない」と常に向上心を持って歩んできた。

   教員をやって良かったと思うのは、離任式や卒業式で生徒にお礼を言われた時。肩の荷が下りた気持ちになるという。「今後は好きな古文書や文献をたくさん読むことをライフワークにしたい」とほほ笑んだ。

  (終わり)

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