心不全患者の歩行動画から体の衰え(フレイル)を自動判定する人工知能(AI)アプリを開発したと、北海道大大学院などの研究グループが発表した。
筋力や免疫、内臓機能の低下などにより、フレイル状態になる心不全患者は少なくない。フレイルは早期に発見、治療すれば改善が期待できるが、既存の評価法は主治医の主観に依存するため、客観的な判定法が求められていた。
研究グループは、2020年1月~23年10月に道内7施設で登録した75歳以上の慢性心不全患者417人を対象に、歩行動画を撮影。そのうち194人のデータをAIに学習させてフレイル判定アプリを開発し、残る223人のデータを用いて精度を検証した。
その結果、AIの判定と循環器専門医10人による判定結果は高精度で一致した。研究グループは「フレイルの早期診断につながる」と期待を寄せている。
(メディカルトリビューン=時事)