国土交通省は26日、国のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(白老町)の誘客促進に向けた戦略を決定した。漫画などと連携したコンテンツの充実や、国外への情報発信強化が柱。現在30万人台にとどまっている年間来場者数を100万人に増やす目標の達成を目指す。
戦略はウポポイを学びの場とするだけでなく、娯楽の要素を加えたコンテンツの充実を図ると明記。漫画などと連携した企画の推進や、仮想現実(VR)を活用した体験イベントなどを検討する。国外への効果的な情報発信に向け、7月に香港で開かれる見本市「香港ブックフェア」への出展や、ホームページの多言語化に取り組む。
ウポポイは、アイヌ文化に関する情報発信を強化する目的で政府が2020年7月に整備。100万人達成の時期は明示していないが、斉藤鉄夫国交相は26日の閣議後記者会見で「関係者と一丸となって目標達成に向け、誘客促進を強力に進める」と意欲を示した。