不眠症患者は、寝付くまでの時間(入眠潜時)を実際より長く感じることが知られているが、健康な人でも同様の結果が示されたと、埼玉県立大大学院などの研究グループが発表した。
研究グループは、健康な男女28人(平均年齢21・5歳)を対象に、脳波や皮膚と鼓膜の温度を計測するセンサーを装着した状態で、1時間昼寝をしてもらう実験を実施。測定データに基づく総睡眠時間、睡眠効率などの客観的な睡眠状態や体温の変化と、アンケートで得られた寝付き、熟眠感などの主観的な評価との関連を検討した。
その結果、客観的に測定した入眠潜時は平均7・6分だったのに対し、主観的入眠潜時は平均13・7分と実際よりも長く感じていた。また、主観的入眠潜時には、消灯前後の放熱量の変化と入眠後の安定した睡眠状態が関係しており、主観的入眠潜時が短い人ほど、睡眠の深さや熟眠感の自己評価が高かった。
(メディカルトリビューン=時事)