2022年度に不登校とされた児童生徒とその保護者、教師を対象に、要因について聞いたところ、「体調不良」との回答が児童生徒や保護者では7割前後に上った一方、教師は2割弱にとどまったことが25日、公益社団法人「子どもの発達科学研究所」(大阪市)の調査で分かった。
研究所の和久田学所長は「教師が児童生徒一人一人の不調を把握するには限界がある。デジタル端末などを活用し、早期に気付く仕組みが必要だ」と指摘した。
調査は、文部科学省の委託を受け、同省が毎年行っている「問題行動・不登校調査」の詳細把握を目的に実施。昨年7~8月、大阪府吹田市や山梨県など4県市の教育委員会の協力を得て集めた、児童生徒(239人)や保護者(200人)、教師(1424人)などの回答を分析した。
調査によると、不登校の関連要因について複数回答で聞いたところ、「体調不良」は児童生徒が68・9%、保護者が76・5%だったが、教師は18・5%と大きな差があった。
「いじめ被害」も、児童生徒が26・2%なのに対し教師が4・2%、「教職員への反抗・反発」も児童生徒35・9%、教師3・5%だった。
文科省は今後、児童生徒の悩みを把握するため、スクールカウンセラーの配置を充実させるなどの環境整備を行う。また、問題行動・不登校調査の項目見直しなども検討するという。