ロシア・モスクワ北西郊外のコンサート会場で22日夜に起きた銃乱射事件で、逃走先の西部ブリャンスク州で拘束された実行犯4人が24日、モスクワに移送された。現地メディアによると、ロシア当局は全員をテロ罪で起訴し、裁判所は2カ月間の拘束を認めた。裁判で有罪となれば、最高刑は終身刑となる。
英BBC放送(ロシア語電子版)によると、現場などで別の実行犯2人が殺害されており、グループは計6人。全員が中央アジアの旧ソ連構成国タジキスタン国籍とみられている。
事件では過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、23日に系列のアマク通信を通じて実行犯らが現場で撮影した動画を公開した。米メディアは、タジクの隣国アフガニスタンを拠点とするIS系の「イスラム国ホラサン州」(IS―K)が関わったと報じており、ロシアが狙われた経緯の解明などが焦点となる。
タジクのラフモン大統領は24日、ロシアのプーチン大統領との電話会談で「深い哀悼と国民への連帯の意」を表明。テロ対策の協力強化を確認した。
事件では137人が死亡。24日はロシア全土で服喪が宣言された。官公庁には半旗が掲げられ、街頭の広告ボードにはろうそくが映し出された。プーチン氏はモスクワ郊外の公邸敷地内にある教会で献灯した。