厚真町出身で1日に三笠高校を卒業した山崎桜さん(18)=町鹿沼=は、同校調理部に在籍中、料理のさまざまな全国大会で優秀な成績を収め、一般社団法人北海道全調理師会から表彰された。5年半前の胆振東部地震で被災した際、避難所などで口にした食事が胸に刻まれており、調理の腕を磨いている。「基礎から技術を習得し、いろいろな味を知りたい」と、4月からは大阪府内の調理専門学校で西洋料理を学ぶ。
山崎さんは、実家が農業を営んでおり、いろいろな食材が近くにある環境で育った。幼少期に食材や調理を意識することはほとんどなかったが、2018年9月の胆振東部地震後に上厚真小学校の避難所に身を寄せた際、炊き出しの温かい食事などを食べて関心を持つようになった。おいしさに感激し、普段何気なく食べていた食事の大切さに気付いたという。
食べることが好きだったので、厚南中学校を卒業後、食物調理科単科校の三笠高校に入学。調理部に入部した。同部では、調理、接客、コスト管理、レストラン運営などを実践的に学ぶほか、各種の料理コンクールに挑戦する。
山崎さんも2年生の時から出場経験を重ね、3年生の時は、第9回山菜料理コンクール(同コンクール実行委員会主催)で最優秀賞、みんなの牛肉料理甲子園料理コンテストin2023(北海道産牛肉消費拡大強化対策実行委主催)で優勝、うまいっしょ甲子園全国高校生料理選手権2023(全国高校生食のコンクール実行委主催)で入賞を果たした。優秀な成績が認められ、卒業式で道全調理師会に表彰された。
高校生活を振り返り、「アイデアを出す力が一番成長した。味は人によって好みがあり、おいしさに正解はないと知ることができた」と話す。好きな分野が西洋料理で「特に肉は焼き加減がたくさんあることが魅力」と笑顔を見せ、「進学後は一人暮らしになるけど、楽しみなことが多い」と目を輝かせた。