子育ては難しい。二人の子どもを育てた経験から今も、こうした方がもっとよかったのでは、と考えることが山ほどある。年齢を重ねて膨らんだ知識は今となっては実践できる場がない。
少し前に「東大卒ママたちに教わる、『東大脳』を育てる3歳までの習慣」(東大卒ママの会著)を読んだ。この手のハウツー本は、キャッチコピーのようにタイトルが大げさで、「東大」というだけで尋常ではないと思ったが、母親が子育てにどう向き合っているのかが知りたくて手に取ってみた。
詳細は割愛するとして結局、東大卒ママは子どもとのコミュニケーションを普段から大切にしているとの印象だ。会話の内容も一言で終わらず、子どもが考えて答えられるよう気を配り、それが「考える力」を引き出しているというのだ。
新聞科学研究所ホームページに学習塾「TLC for Kids」代表船津徹さんによる似たような話が紹介されている。「子どもの『考える力』を育てるには? 親の声かけのポイントと効果的なツール」を解説。子どもが18歳になるまで三つのステージに分け、接し方を提案する。その基軸は親子の触れ合い。家庭で親子の会話がより深まるよう新聞が一つの役割を果たせればと思う。(教)