白老町ボランティアセンターを運営する町社会福祉協議会は新年度、奉仕活動をしてみたい個人とボランティアを求める福祉施設をつなぐ事業「ミナボラ」を本格始動させる。コロナ禍の行動制限が緩和され、町内の高齢者福祉施設などから同センターに寄せられるボランティア依頼が増えると予想されるため。町社協では、事業への参加を町民に呼び掛けている。
ミナボラでは、奉仕活動を希望する町民(小学生以上)が町ボランティアセンターに登録すると、担当者が障害者や高齢者の福祉施設からのボランティア依頼につないで活動が実現する。内容は、施設入居者との会話やゲーム、車いすでの移動介助、接客や皿洗い、利用者との軽作業など。日程や活動時間は施設が設定した時間帯から選ぶことができる。
2019年度に始めたが、軌道に乗りかかったところでコロナ禍となった。やむなく規模を縮小して続けていたが、23年5月の新型コロナウイルス5類移行で、同年12月からボランティア依頼の問い合わせが施設から入るようになった。このため、3月5~17日を入門体験期間とし、ミナボラへの参加者を募集すると21人の応募があり、ボランティア依頼のあった施設とのマッチングが20件実現した。手応えを得たことから、今後は大型休暇などに定期的に実施していくことにした。
協力施設は町内のホープ「フロンティア」(町萩野)、緑丘保育園(町緑丘)、白老宏友会生活介護事業所「みらいえ」(町川沿)、NPO法人四ツ葉(町東町)の計4カ所。四ツ葉地域活動支援センターの高辻順子所長(75)は「私たちの活動への理解が広がる機会にもなるので、事業の本格始動はありがたい」と話す。昨年から事業に参加する町竹浦の上野広子さん(65)は「コロナ禍の生活で孤独を感じていたが、ボランティアで毎日の予定が埋まり、喜んでもらえるのでうれしい」とほほえむ。
町社協の担当職員、中野優さん(27)は「奉仕活動を通じ、自身をステップアップさせる人もいる。興味のある人は一歩踏み出してみませんか」と話している。問い合わせは町社協 電話0144(82)6306。