「風評と思いこみ、そしてフェイクニュース」

  • 内山安雄の取材ノート, 特集
  • 2024年3月22日
「風評と思いこみ、そしてフェイクニュース」 

 本紙をはじめとして、いくつかのメディアでこの私、自分の名前はもちろん、時に顔写真もさらしている。よってネットの社会でプライバシーをある程度あばかれても文句はいえないだろう。

 アジア系の情報サイトで以下のようにさらし者にされたことが何度かある。

 「ウチヤマヤスオが○月×日の夜、バンコクのプレイスポット『☆☆カフェ』で女の子たちに猛烈アプローチ! それに味をしめて、その後も夜な夜な女性を物色中」といった具合だ。

 これが本当ならば仕方のないことだろう。が、事実はまったく違っている。

 その夜同店を訪れたのは確かだが、現地ガイドを同行しており、取材でお客さんの女性たちに話をきいたにすぎない。

 だが一度ネットにさらされようものなら、そのネタが拡大解釈されて他のサイトでも次々と出回ってしまう。かくして私の知り合いはもとより、知らない人にまで「海外に行くとけっこう遊んでいるんですね」と冷やかされる始末だ。

 そして「アジア系ウチヤマヤスオ=ちょっとスケベな物書き」という思いこみからくる図式が勝手にできあがってしまう。

 思いこみ、あるいは決めつけといえば、私はネットの世界で何度となくこんなふうに紹介されている。「破れかけた麦わら帽子をかぶり」「いつも色あせた短パンをはいて」「サンダルでペタペタと歩き回る」「痩せこけたオヤジ」だそうだ。

 だが私は麦わら帽子なんて持ったことがないし、外出時に短パンやサンダルをはくこともありえない。そういうラフすぎる格好をするまいと昔から心がけている。

 痩せこけているというのも間違いで、この私、長らく小太り系である。当たっているのはオヤジという1点にすぎない。

 要するにアジア系の物書きというイメージから想起しうるものを思いこみで私にあてはめたのだろう。こんなあることないことではなく、ないことないことを面白おかしく書き飛ばし、時にでっち上げるのもネット社会の功罪らしい。よって自分について書かれたサイトを不用意にのぞかないことが精神衛生にはいいようだ。

 こういったフェイクニュースが個人に関してすら垂れ流しにされるのも、いかにも今の時代を象徴しているのだろう。

 ★メモ 厚真町生まれ。苫小牧工業高等専門学校、慶應義塾大学卒。小説、随筆などで活躍中。「樹海旅団」など著書多数。「ナンミン・ロード」は映画化、「トウキョウ・バグ」は大藪春彦賞の最終候補。浅野温子主演の舞台「悪戦」では原作を書き、苫高専時代の同期生で脚本家・演出家の水谷龍二とコラボした。

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