立憲民主党、日本維新の会など野党は21日、自民党派閥の裏金事件の真相究明に向け、安倍派幹部だった塩谷立・元総務会長ら6人の証人喚問を衆院予算委員会で行うよう小野寺五典委員長(自民)に申し入れた。世耕弘成前参院幹事長ら4人の参院予算委での喚問も要求。衆院政治倫理審査会の追加開催に向けた協力も呼び掛けた。自民党はいずれにも否定的な立場を示した。
野党が衆院予算委で喚問を求めたのは、塩谷氏に加え、下村博文元政調会長、高木毅前国対委員長、松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相の安倍派元幹部5人と、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で起訴された衆院議員池田佳隆被告=自民除名。
申し入れ後、野党筆頭理事の山井和則氏(立憲)は記者団に「なぜ違法行為が続き、誰が関与したのか、明らかにしなければならない」と喚問の必要性を強調。「うそをつけば罰せられる喚問に出たくないなら(政倫審などで)うそをついていたことになる」と自民の対応をけん制した。与党筆頭理事の加藤勝信氏(自民)は記者団に「慎重に考えるべきだ」と述べた。
また、立憲は21日の自民との参院国対委員長会談で、先の参院政倫審に出席した世耕氏、橋本聖子元五輪担当相、西田昌司氏の安倍派参院議員3人の喚問を要求。立憲の斎藤嘉隆国対委員長は記者会見で、同派の会計責任者だった松本淳一郎被告の喚問を求めていく考えも示した。会談では25日に参院予算委の集中審議を行うことで一致した。
一方、衆院政倫審幹事懇談会では、政倫審への出席を受け入れていない自民衆院議員45人の審査実現に向け、野党が与党に協力を要請。自民は応じない考えを示したが、公明は回答を保留した。22日に立憲、公明両党の実務者が協議する。
立憲の長妻昭政調会長は記者会見で「実態解明が進んでいない。一つ一つ粘り強く求めていきたい」と語った。