1970年代の連続企業爆破事件で、東京地検は21日、殺人未遂と爆発物取締罰則違反の疑いで容疑者死亡のまま書類送検された過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー、桐島聡容疑者(70)を不起訴処分とした。
桐島容疑者は75年4月の東京・銀座の韓国産業経済研究所の爆破事件や、同2~4月の間組(現安藤ハザマ)本社爆破事件など、時効が成立していない計5事件に関与したとして、警視庁が今年2月に書類送検していた。
捜査関係者によると、桐島容疑者は「内田洋」の偽名を使い、約40年間にわたり神奈川県藤沢市の工務店に住み込みで勤務していた。今年1月に末期の胃がんで入院後、「最期は本名で迎えたい」と実名を告白し、警視庁の事情聴取に応じたが、同月29日に死亡した。
警視庁は桐島容疑者の複数の親族から試料の提供を受け、DNA型鑑定を実施。押収品の分析や生前の任意聴取の内容などから、同容疑者本人と断定した。