むかわ町とむかわ地域商社「M Dino」(エムディノ)、アロマ商品の開発・販売を手掛けるプロモツール(東京)は、町木のアカエゾマツから抽出した精油を活用した芳香剤「カムイサウルス・アロマミスト」(2800円)を開発した。町とエムディノにとって香りの商品作りは初めてで、プロモツールには自治体と共同開発した初の商品となった。
芳香剤は、町が2023年度事業として、ふるさと納税の返礼品の開発をエムディノに委託して生まれた。竹中喜之町長が町を五感で味わえるようにと、香りの商品作りを提案し、同社はプロモツールと研究を進めた。同年9月に道の駅「四季の館」でアンケートを実施するなど、町民の意見も取り入れて完成させた。
香りのメインは、道内で自生するアカエゾマツ。町内には、東京ドーム128個分に相当する602・37ヘクタールに植えられている(15日時点)。室内空間に噴霧すると、最初にアカエゾマツから抽出した精油が森林を連想させ、その後、ゼラニウムのバラのような香り、最後に木の樹脂や刈りたての草木のような匂いが感じられるという。リフレッシュやリラックスなどの効果が期待される。
パッケージには、町穂別地区で発掘されたカムイサウルス・ジャポニクス(通称むかわ竜)を起用し、アカエゾマツの森林や夜空と組み合わせた。内容量は50ミリリットルで、販売数は300本。19日以降、四季の館や穂別博物館など町内外7店で販売している。
町は、同日に本庁、21日に穂別総合支所に香りを噴霧する機器を設置。平日午前9時から午後5時まで、来庁者が香りを楽しめるようにした。
竹中町長は「カムイサウルスが生きていた時代をほうふつとさせる商品が完成した。多くの方に香りを覚えてもらいたい」、エムディノの遠藤研二代表は「今後、スティックタイプの販売も検討したい」と話している。