温泉に入ることで、腸内細菌のバランスが変化し、その影響は泉質ごとに異なることが分かったと、九州大などの研究グループが発表した。
研究グループは、2021年6月~22年7月に九州地方在住の健康な男女127人(20~65歳)に、大分県別府市内の泉質が異なる温泉に7日間連続で毎日20分以上入浴してもらい、便検体を用いて温泉浴前後の腸内細菌割合の変化を比較した。解析した泉質は(1)単純泉(2)塩化物泉(3)炭酸水素塩泉(4)硫黄泉―の4種類。食事は通常通り取ってもらった。
その結果、(1)(3)(4)で入浴後に腸内細菌の割合に変化が見られた。特に変化率が大きかったのは(3)で、ビフィズス菌の一種「ビフィドバクテリウム・ビフィダム」が有意に増加していた。
研究グループは「温泉療法や健康プログラムの開発につながる知見だ」と期待を示している。
(メディカルトリビューン=時事)