澄川町楽生会会長 瀧 進さん(87) 地域のため協力惜しまず 老人クラブの社会的な重要性を感じ運営に汗

  • 時代を生きて, 特集
  • 2024年3月16日
「信頼し、任せることは任せて、なんとかやってきた」と活動を振り返る瀧さん
「信頼し、任せることは任せて、なんとかやってきた」と活動を振り返る瀧さん
苫小牧市内で18年ぶりに開催された第47回全道老人クラブ大会で記念写真に収まる瀧さん(前列右から5人目)=2010年
苫小牧市内で18年ぶりに開催された第47回全道老人クラブ大会で記念写真に収まる瀧さん(前列右から5人目)=2010年
東高校野球部時代は内野手だった瀧さん=1954年
東高校野球部時代は内野手だった瀧さん=1954年
苫小牧東中学校の教員時代には全道大会進出を果たした野球部員たち。瀧さん(右端)=1970年代
苫小牧東中学校の教員時代には全道大会進出を果たした野球部員たち。瀧さん(右端)=1970年代

 2010年9月。苫小牧市内で開かれた第47回全道老人クラブ大会に市老人クラブ連合会(市老連)の副会長として携わった記憶は今も忘れられない。市の65歳以上の高齢化率は現在30%を超えるが、当時はまだ20%ほど。若いまちと評価されていた苫小牧に、全道各地から2日間で延べ2900人も集まる盛況ぶりだった。

 本紙でも、当時の北海道老人クラブ連合会(道老連)会長が「1日に1500人近くが会場に足を運んだ。他の都市では見られなかったことで市民ぐるみの素晴らしい大会だった」との賛辞を報じている。「(市老連会長だった)神野修さん(故人)と企業などを回って協力をお願いして大変だったが、参加者には本当に喜んでもらえた」との思いは強く、「健康、友愛、奉仕」の老人クラブのモットーを実感するひとときとなった。

 安平村(現安平町)で9人きょうだいの長男として生まれた。実家は馬の仲買商人や精肉店を営み、父親は後に地元の町議会議長も務めた。自身は野球が好きで進学した苫小牧東高校で野球部に入り、白球を追い掛けた。「人を信頼する大切さは野球を通して学んだ気がする」。東京農業大を卒業し、団体職員などを経て24歳で教職の道へ。

 振り出しは古里の追分中学校で「教わった先生もまだいて肩身が狭かった」と懐かしむ。23歳で結婚し、娘もいたが、生徒との時間をできるだけつくり、一緒に釣りに出掛けたり、自宅で勉強を教えてあげたりもした。1965年に苫小牧市内の中学校に転勤。校内暴力が社会問題化した80年代にはこの波が地方にも押し寄せ、荒れた学校に着任することがあったが「そこでも生徒と向き合った」。

 教職は60歳の定年まで続けた。目標を教えてくれた生徒の気持ちに応えようと奮起し、共に喜びを分かち合う機会に何度も恵まれた。

 その後、市社会福祉協議会の老人福祉相談員を引き受ける中で、老人クラブの社会的な重要性を実感。相談員を退いた63歳で自宅があった澄川町の老人クラブ楽生会に入った。2006年には同会会長に就いたのと同時期に市老連副会長も任され、全道老人クラブ大会の運営に携わった。

 13年に双方の役職から離れたものの、今度は澄川町町内会長を頼まれ、16年には市自主防災組織連合会の初代会長も任された。昨年、双方の会長を辞めたが、再び楽生会の会長に就いた。

 「できないことはできないと言うが、できることを頼まれたら引き受けてしまう」と笑う。人とのつながりの重要性を身に染みているからだ。「胆振東部地震への対応は大変だったが、こちらが思いつかないことも地域の人たちが頑張って対応してくれて助けられた」。体が動く限り、地域のために協力するつもりだ。

 (河村俊之)

 瀧進(たき・すすむ) 1936年3月、安平村(現安平町)生まれ。楽生会の活動は毎週金曜日の例会のほか、カラオケや麻雀などサークル活動も展開。公園のゲートボール場の活用策としてゲートボールとパークゴルフの要素を独自にアレンジしたゲーム「ゲートパークボール」の普及に力を注ぐ。弟は安平町の初代町長を務めた瀧孝さん。苫小牧市澄川町在住。

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