苫小牧市中学生主張発表大会(7) 努力賞「理想の私」 ウトナイ中学校2年 林 蘭々さん

  • 特集, 苫小牧市中学生主張発表大会
  • 2024年3月16日
苫小牧市中学生主張発表大会(7) 努力賞「理想の私」 ウトナイ中学校2年 林 蘭々さん

  私は将来、警察官になりたいです。私が考える警察官とは、大きな決断を迫られても即断し行動できるような人物です。でも今の自分は臆病で、警察官を目指すにはほど遠いと思っています。それは私には本音を引っ込めてしまうところがあるからです。

   私には本音を言えない相手がいます。それは私の姉と弟です。私の両親は共働きで、特に母は仕事の都合上、数ヶ月に1回帰宅して数週間家族と過ごし、また仕事に出る形をとっています。そうなると家事は父、姉、弟と私の4人で分担することになります。ところが小学生の弟は、家事をほとんどやりません。高校生の姉は遊んでいるだけなのに「つかれた」と言って、家事を行うときに手をぬいてしまうところがあります。最初は誰が何をやるのか、役割分担を決めて全員で家事に取り組んでいましたが、気がついたら父と私ばかりがやっているのです。家族としては大好きな姉弟ですが、何もしないでのんきに遊んでばかりいる2人を見ると大嫌いだと思ってしまいます。

   それなら、姉と弟に自分が我慢していることを伝えればいいじゃないかと思われるかもしれません。でも、言えないのです。理由は、本音をぶつけたその後が怖いからです。「ちゃんとやっているからいいでしょ」「うるさい」などと反論してくるだろうと思うと、言わないでおこうと考えてしまうのです。

   もう一つ、本音が言えない場面で思い浮かぶのが、友達に「遊びに行かない?」と誘われたときです。あまり気が進まず断ろうかと思ったとき、みなさんなら何と言いますか。「今はそんな気分じゃないからごめん。また遊ぼうね」などと上手に断れるのではないでしょうか。でも私はそれができないのです。「ごめん。今日は病院に行かなきゃいけないんだよね」と、嘘(うそ)をついてしまいます。なぜなら、もし相手に本当のことを言ったら、相手が怒り出して私を嫌いになるのではないかと想像するからです。

   そこで私はある日、姉弟にも友達にも本音が言えないことについて、ある友人に相談してみました。すると「本音をため込んで辛(つら)くなるくらいなら、思い切って言ったらいいんじゃない? 蘭々はいろいろため込みすぎなんだよ。もう少し素直になりなよ」と言われました。これを聞いて私は救われました。なぜなら、今までは「どうせ言っても無駄なんだ」「本音を言ってしまえば相手を傷つけてしまうかもしれない」と考え、本音を言えずにいた私の心を軽くしてくれたからです。確かに思い切って素直に言えたら変わる未来があるかもしれません。そして言えずに後悔するよりはましだと思えるようになりました。特に姉弟は「家族」なので、関係がずっと続きます。だから本音を伝え合えないと、自分も相手もだんだん気まずくなっていくでしょう。それは避けたいので、自分の気持ちを素直に伝えていこうと思います。不満を心にためないことは、自分を大切にすることにもつながると私は思います。

   私は現在、生徒会長を務めています。生徒会執行部では、学校生活をよりよくするための話し合いを続けています。私は私を信任してくれたみんなの期待に応えるためにもしっかりしなければなりません。他の執行部のメンバーと違う意見でも、引っ込めずに伝えていき、執行部での経験を重ね、自信をつけたいです。やがては将来の夢である警察官を目指すためにも、本音を言えない自分から伝えられる自分に生まれ変わり、堂々とした理想の私でこれからを生きていきたいです。

過去30日間の紙面が閲覧可能です。