北陸新幹線の金沢―敦賀間(約125キロ)が16日、延伸開業した。福井、石川両県の沿線各駅では出発式や開業記念イベントが開かれ、一番列車が走行。能登半島地震の被災地を支援する「北陸応援割」も同日開始され、対象となる4県の復興を観光面から後押しする。
敦賀駅での開業式にはJR西日本の長谷川一明社長らが出席。福井県の杉本達治知事は「新幹線を生かして敦賀をさらに発展させていく」と話し、斉藤鉄夫国土交通相は「地震からの復旧復興の原動力となれば」と語った。
出発式では上島豊敏敦賀駅長と俳優の中条あやみさんが「出発進行」と合図を送り、午前6時11分に一番列車「かがやき502号」が東京へ向けて発車した。東京、金沢からも午前6時台に上下の一番列車が出発した。
延伸区間は最速41分で、東京―敦賀は同3時間8分(50分短縮)、福井までは同2時間51分(36分短縮)となった。並行在来線の運行はJRから第三セクターに移管。関西や中京圏から金沢などに向かう乗客は、敦賀で乗り換えとなった。
北陸応援割は4月26日までの宿泊が対象で、1人1泊2万円を上限に、旅行代金の半額を割り引く。期間中でも予算がなくなり次第、終了する。
北陸新幹線は1973年に整備計画が決定され、97年に長野まで、2015年に金沢まで開業した。金沢―敦賀間は昨春の開業を目指していたが、工事の遅れなどから1年延期された。総工費は約1兆6800億円。
大阪までの全線開業を巡っては、16年に「小浜・京都ルート」で正式決定。ただ、京都府内で環境影響評価(アセスメント)が遅れており、着工のめどは立っていない。