説明責任

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2024年3月14日
説明責任

  説明責任というと、昨今はもっぱら政治家に厳しく求められる事例が多いが、そもそもは権限を行使する者が利害関係者にその内容や結果を報告する必要があるとの考え方をいう。経営者なら主に株主や従業員、政府や政治家ならば国民や有権者、自治体ならば住民などに対して負う。経営者は債権者、消費者も含むなど、利害関係者の範囲は広い。

   説明責任はどうしたら果たしたことになるか、果たしていない場合はどう対応したらいいか―。考えながら、通過儀礼的に審査会、委員会が進む国会の行方を報道で見守っている。ところが政治家からはカネ以外に文科大臣と旧統一教会との関係やら不倫、破廉恥な内容が報じられている党組織主催の会議・懇親会など次々と問題が明るみに出る。果たすべき説明責任は山と積み上がり、こちらも不意に出るため息は途切れることがない。

   思い出すのは「丁寧に説明を尽くす」というフレーズ。首相だった安倍さんがよく使い、言葉と裏腹な行動とのギャップに大いに憤った。言葉は異なれど、実態は変わらない。岸田さんが言う「志」のある政治家が本当にその一団にいるのなら、事実を語って選良の誇りを見せてほしい。あるのかないのか、できるのかできないのか。誠の有無を知る。(司)

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