目標や計画を立て、その達成のために行動や思考をコントロールする脳の「実行機能」。幼児期に著しく成長するが、そのうち欲求や感情をコントロールする「感情制御」の発達には腸内細菌が関係していると、京都大大学院などの研究グループが発表した。
成人では、心身の健康や脳機能と腸内細菌との関連が報告されている。腸内細菌のバランスは食事習慣に依存し、その基盤は幼児期に決まるとされる。そこで研究グループは、全国の3~4歳児257人を対象に、日常の問題行動の有無から見る実行機能の発達と、1週間の食品摂取頻度で評価した食事習慣を調べた上で、採取した便検体の細菌との関連を検証した。
その結果、感情制御の発達にリスクがある幼児は、そうでない幼児と比べ、腸炎などの炎症性疾患との関連が指摘されている腸内細菌が多かった。また、緑黄色野菜の摂取量が少なく、偏食の割合が多かった。
(メディカルトリビューン=時事)