むかわ町の鵡川中学校(阿部隆之校長)は26日、3年生による「むかわ学」の発表会を同校で開いた。生徒45人は教育や医療、福祉、公共施設、1次産業など9グループに分かれてフィールドワークを実施。各現場で聞き取った現状を踏まえ、若者の視点から定住人口につなげるための改善策や今後の展望を語った。
医療のグループは、町内病院の入院患者の9割以上、通院の約8割が65歳以上の高齢者であることや、受診内容によって苫小牧市まで行かなければいけない実態を指摘。安心してさまざまなサービスを受けられるような、高齢者サービスの向上や他の自治体と連携を考案した。
福祉のグループは介護人材の不足や今後の利用者ニーズを見据え、「デジタル技術を導入し、作業の効率化やケアの選択肢を増やすことにつなげられないか」と提案。公共施設のグループは老朽化が進む建物が多く、利用者が減少している点を指摘した。
漁業について発表した須藤雄斗さん(14)は「(事業を行うに当たり)すべてを自分たちだけでできるわけではないことなど、漁業の現状を知ってもらいたかった」と説明。発表は一区切りとなるが、「これで終わるのはもったいない。町に直接提言できるくらい時間をかけ、高校に行くと発展的なことができると思うので、そういうところで(成果を)生かしたい」と語った。