来年12月に出発する第66次南極地域観測隊の隊長を、苫小牧東高出身で東京大大気海洋研究所の原田尚美教授(56)が務めることが30日、文部科学省で開かれた南極地域観測統合推進本部の総会で決まった。女性の隊長は初めて。33次隊で夏隊員、60次隊で副隊長を経験しており、副隊長も女性初だった。
原田さんは帯広市出身で、苫東高から弘前大を卒業後、名古屋大大学院で博士号を取得。1995年に海洋科学技術センター(現海洋研究開発機構)入りして地球環境部門長を務め、昨年東大教授に転じた。海底堆積物やプランクトンを分析し、気候変動などの研究を行っている。
原田さんは総会後、「最後に決断を下す人間として、隊員にこの人だったら大丈夫と思ってもらえる信頼関係を、出発までに構築していきたい」と話した。
66次隊の副隊長(兼越冬隊長)は気象庁大気海洋部の藤田建主任技術専門官(53)が務める。同庁から越冬隊長が派遣されるのは4年ぶり6人目。