子どもたちの見守り活動などを行う白老町の竹浦青少年健全育成委員会(岩●【c59c】和典会長)は22日、竹浦小学校グラウンドで、日本古来の製鉄技法「たたら製鉄」の作業を実演した。秋の育成行事の一環で、室蘭登別たたらの会の石崎勝男代表(78)らを迎え、地域の大人や子どもたち計約25人が見学した。
石崎さんらはグラウンドの一角にれんがの炉を組み立て、アヨロ海岸で採取した砂鉄16キロと白老町産の木炭、ホッキ貝やホタテの殻を25回に分けて少量ずつ炉に投入し、6時間ほどかけて鉄を造る過程を紹介した。その間、炉から出る熱を利用してジャガイモをふかしたり、マシュマロを焼いて楽しむ場面もあった。
砂鉄は炉で溶かされ、鉧(けら)と呼ばれる鉄の塊になる。この日、生成された鉧は4・4キロ。静岡県の刀匠の元に送られ、鍛錬して精度の高い鉄が造られるという。
会場に集まった人たちは、脈々と受け継がれてきた伝統技術と、鉧が生まれる過程にじっと見入り、竹浦小5年の伊藤花美香さん(10)は「鉄がどうやってできるのか興味があった。出来上がっていくのを見るのはわくわくする」と笑顔を見せた。
主催した岩●【c59c】会長は「年に数回の活動だが、少しずつでも地域で顔の見える関係を育んでいきたい」と話し、町竹浦のドローンカメラマンで育成委員の瀧谷栄さん(56)は「地域の大人と子どもが同じ体験を共有することが大切」と述べた。