健康に良いとされる魚だが、食べ過ぎると高血圧につながる可能性があると、名古屋大大学院などの研究グループが発表した。
魚にはビタミンやミネラルといった栄養素、ドコサヘキサエン酸(DHA)などの有用な成分が多く含まれる。一方で、魚に蓄積されているヒ素については、健康への影響が十分に解明されていない。研究グループは成人2709人を対象に、魚介類の摂取頻度と血中ヒ素濃度、血圧との関係を調べた。
その結果、肉類・乳製品、野菜・果物など五つの食品群に比べ、魚介類は摂取頻度の多さと血中ヒ素濃度の高さに関連があった。魚介類の品目別では、魚肉の1日1回以上摂取と高血圧に関連が見られ、魚の過剰摂取による血中ヒ素濃度上昇、高血圧リスクとの関与が示唆された。一方、イカやタコ、小魚、海藻摂取との関連はなかった。
研究グループは「魚には健康に良い成分も含まれるため、食べ過ぎに注意しバランスの良い食生活を心掛けるべきだ」としている。
(メディカルトリビューン=時事)