日本では、新型コロナウイルスへの感染を「自業自得」と考える度合い(自業自得感)が流行開始から2年たっても高いことが分かったと、大阪大などの研究グループが発表した。
コロナ拡大初期(2020年春と夏)の調査で、他国と比べ日本では自業自得感が高いことが報告されている。研究グループは、20~22年の日本、米国、英国、イタリア、中国での自業自得感や、「政府による行動制限」に賛成する度合い(行動制限意識)の経年変化を比較・分析した。
その結果、自業自得感は日本が依然高く、英国が最も低かった。行動制限意識は中国で高く、日本は低かった。また、日本とイタリアは行動制限意識が高い人ほど、自業自得感も高い傾向が見られた。研究グループは、感染症に伴う差別や偏見が公衆衛生上の課題であることを踏まえ、「日本で差別などを減らすには、行動制限意識が高い人に対し、感染症の流行初期に『感染は感染者自身のせいではない』との啓発を行うことが重要だ」としている。
(メディカルトリビューン=時事)