縮む寿命

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2023年10月25日

 二十歳の頃、書店の棚には水俣病やイタイイタイ病など公害の本が、たくさん並んでいた。食べ物や環境の安全が一部の企業や行政によって踏みにじられていたことが次々と明らかになっていた。

 それらの本を読みながら、自分たちは長生きできない世代だと思った。化学調味料も人工甘味料も、自分たちの食べ盛りに売れ始めた。ハクサイの漬け物にかめばジャリジャリと音が聞こえるほど振り掛け、その上からしょうゆ。父母や祖父母には貧しくとも正しい食の時代があったが自分たちは幼時から色鮮やかな赤や緑の飲料水を飲んだ世代。農薬もどんどん増えていった。街角の自販機でゴトゴトンと飲料水を買い、しびれるような炭酸で乾きと飢えをしのいだ世代だ。

 後期高齢者の年齢が近付き、若い頃に読んだ本の内容が間違いではなかったことが着々と証明されていく。今夏に発表された2022年の日本人の平均寿命は女性87・09歳、男性81・05歳。男女共に2年連続で「縮んだ」そうだ。厚労省は新型コロナの感染が収まれば「延長」が復活するとの見方だが、仮に「悪食の世代」である団塊の世代の高齢化が平均寿命を縮めたとすれば話は別なのだ。自分と同世代の歌手が2人、亡くなった。歌詞を思い出しながら、ふと考える。(水)

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