むかわ町の穂別高校3年の土屋日菜さん(17)と渡辺愛里さん(18)のチームが地元特産品のカボチャを使って考案したスイーツ「パンプキン・スノーボールクッキー」が、今月上旬に札幌市内で開かれた高校生チャレンジグルメコンテストinHOKKAIDOで「味の匠(たくみ)賞」を獲得した。食材を理解し、創意工夫に満ちたメニューを開発したと審査員から高い評価を受け、2人は「まさか選ばれるとは」と口をそろえて喜んだ。
書類審査を通過した11校12チームがファイナルに進んだ。同校からは、カボチャとホウレンソウを使った大福を考案したチームも出場した。
2人はスノーボールクッキーの頭文字を取り、「チームS」の名前で参戦。メニューの考案、調理に至ったいきさつやコンセプト、穂別のまちなどについてプレゼンテーションした。土屋さんは「小麦粉や卵のアレルギーの人でも食べられるように」と米粉を使ったことをアピール。渡辺さんは作業にじっくり手間暇をかけた点を伝えた。
審査員を代表して、フランス料理などを手掛ける下國伸シェフは「食感の最後の最後まで考えられて作られたクッキー。食べる人の口の中でどうなるのか、ぎりぎりまで計算されており、時間をかけて作ったのが食べた瞬間に感じられた」と講評。商品化にはクリアしなければならない課題が少なくないものの、「作った人の気持ちが商品として形になってくれたら。それくらい可能性のあるものを作ってくれた」と称賛した。
土屋さんは「ステージで発表する時は、作業で手いっぱいだったので緊張どころではなかった」と話し、自らが考案したメニューの受賞に「大変だった分も報われた」と胸をなでおろす。卒業後はそれぞれ別の道に進むが、渡辺さんは「コンテストを通じて伝える力が少し身に付いたと思う。この経験を将来につなげられたら」と語った。