白老町議会の議員を10期、議長を2度務め、今期で町議引退を表明している松田謙吾氏(81)と関係者の慰労会が21日、町萩野のセレモニーホール紫苑で開かれた。後援会関係者など65人が出席し、松田氏らの長年にわたる活動をたたえた。
長男の力さん(55)が、父親を長年支えた後援会の関係者をねぎらいたいと主催した。
松田氏は1942年7月、白老町北吉原出身。萩野中学校(現白翔中学校)卒。1979年4月に初当選して以来、99年から5期連続で現職トップ当選を維持した。91~93年と97~99年に産業建設常任委員長。99~2001年に副議長、2001~03年と19~23年に議長を歴任した。政治家人生は、44年6カ月にわたる。
慰労会で松田氏は「まちの皆さんの支えのおかげで全力を尽くせた」と感謝した。最後の選挙となった19年に後援会長を務めた吉田勝彦氏は翌年、77歳で亡くなったが義妹の三河加代子さん(73)=町萩野=が夫婦で出席。松田氏の政治家人生を振り返るビデオ映像の披露で「義兄の姿もあり、懐かしい思い出がよみがえった」と涙を拭った。友人の大久保鐵男氏(89)=町虎杖浜=も「今後は自分や家族のための人生を楽しんで」とエールを送った。車上運動員として選挙を手伝った小美浪フミさん(78)=町北吉原=は「引退に月日の流れの速さを感じる。29日の投票では、うっかり『松田謙吾』と書いてしまいそう」と話した。
松田氏は、今後のまちを担う議員に向けて「いいものはいい。悪いものは悪いと主張し、新たな視点でまちづくりを」と期待。町民の代表として議員の「責任は重い」と強調し、「町民のためには堂々と町側と渡り合い、まちの景色を変えるような議員になってほしい」と語った。また「町立病院を柱にしたまちづくりが重要。町民の命を守る原点に立ち返った政治を心掛けて」と注文を付けた。