むかわ町と札幌市中央区南2西3の都市型水族館「AOAO SAPPORO」(山内将生館長)が19日、同館で包括連携協定を締結した。同町の復興のシンボルで国内最大の全身骨格化石「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)の特別企画展「ザ・パーフェクト恐竜」が同日から始まり、全長約8メートルの実物大のレプリカ(全身復元骨格)が展示された。2024年1月15日まで。
締結式では、山内館長とむかわ町の竹中喜之町長が、恐竜化石をはじめとする地域資源の活用と地域活性化、観光振興のため連携・協力する協定書に署名した。
19年に東京の国立科学博物館で「むかわ竜」を目にした山内館長は「縁を感じる。むかわ町の方々が守ってきた地域資源を札幌の地で生かしながら、新しい形の水族館を提案。まちと共に歩む運営をしていきたい」と熱く語った。
胆振東部地震から5年の節目に触れた竹中町長は「大勢の皆さんからの支援を未来につなぐまちの再生に取り組んでいる」と説明。「『むかわ竜』はまちの元気の源。気候変動で生態系が変化し、叫び声を上げている地球に、時空を超えカムイサウルスが何かを語ろうとしている。その何かを体感してほしい」と呼び掛けた。
さらに「AOAOへの親子バスツアーを計画している」と明らかにし、山内館長も「むかわの四季の情報を来館者に提供し、同町を訪ねるツアーを考えたい」と述べた。
会場を訪れた札幌市東区の80代女性は「こんなに大きな恐竜が北海道に生息していたと知り、驚いている。(絶滅した)恐竜のようにならないために地球を大切にしなければ」と話した。