自治体の健康診断で使われている「後期高齢者の質問票」を点数化すると、フレイル(加齢による心身の虚弱状態)を判定する指標に利用できると、東京都健康長寿医療センター研究所などの研究グループが発表した。
この質問票は高齢者の健康状態を総合的に評価するもので、15項目で構成される。研究グループは、「1日3食食べている」「週に1回以上外出している」などの12項目を「フレイル関連項目」に設定。「食べていない」「外出していない」など健康リスクがある回答を1点とし、合計点に基づくフレイル判定の正確性を調べた。
東京都と兵庫県の健診に参加した461人(平均年齢79.7歳、男性50.9%)のデータを分析した結果、中等度の精度で点数からフレイルを識別することが可能だった。合計点4点以上の人を見ると、フレイルの人を55.8%、フレイルでない人を85.8%の確率で判定できた。研究グループは「健康に課題がある人を簡便に把握できる有用な指標だ」としている。
(メディカルトリビューン=時事)