文部科学省が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を東京地裁に請求したことを受け、教団の岡村信男法務局長が16日、東京都渋谷区の本部で記者会見を開いた。岡村局長は「裁判所で事実に基づく主張を行っていく」と述べ、同席した福本修也顧問弁護士は「解散命令請求は死刑求刑に等しい。全面的に争う」と表明した。
文科省は、教団が不安をあおって多額の献金を要求するなど不法行為を継続し、被害規模が計約1550人、204億円に上ると指摘。13日に解散命令を請求し、地裁に受理された。
岡村局長は会見の冒頭、「とても遺憾で残念。私たちの真実の姿を伝えることができず、深く反省している。裁判所が民主主義の守り手となることを期待する」と語った。
過度の献金などを改めた2009年の「コンプライアンス(法令順守)宣言」以降、元信者らへの返金など教団改革を進めていると強調。一方、「現役信者への迫害が多数報告されている」と主張し、「(解散命令請求は)宗教の自由のみならず、人権にとっても深刻な事態と考えている」と訴えた。
教団が解散命令に備えて、集めた資金など財産を韓国の教団本部へ移転するのではないかとの懸念が出ていることに関し、「根拠はない。日常的に韓国へは往来が多く、資産隠しとも言えない」と否定した。
福本弁護士は、解散命令請求の要件について「違反した法令の特定がなく、解散命令事由の土台を欠いている。話にならない」と反論した。