胆振総合振興局、胆振地域林業担い手確保推進協議会は13日、厚真高校(佐瀬雅彦校長)の1年生28人を対象に「林業現場体験バスツアー」を厚真町内などで行った。生徒たちは2018年9月に発生した胆振東部地震の被災地や伐採作業現場、苫小牧市内の製材工場を見学して林業の魅力に触れ、仕事へのイメージを膨らませた。
管内の高校生に林業に関心を持ってもらい、将来の担い手確保につなげることを目的とした2018年からの継続事業。同振興局によると、今年度は厚真高を入れ管内5校(実施済みを含む)で同ツアーを予定し、この日は町や胆振林業青年部などが協力した。
一行は5年前の震災で被災し、復旧の過程にある町内東和地区の植栽地や伐採作業が行われている宇隆地区の民有林を見学。大型重機で作業する様子を目の当たりにした。蹴揚葉月さん(16)は「初めて来た場所だが、胆振東部地震の被害のひどさを改めて実感した。見た目はよくなっているが、修復には時間がかかると思った」と感想を述べた。
この後、苫小牧市あけぼの町にある製材業ヨシダの工場を訪問し、原木から製材になるまでの工程を現場で見て回った。
道内の林業従事者は約4200人(2022年10月時点)。近年、人数は横ばいで推移しているが、60歳以上が30%を超える一方、30歳未満は9%と若手の確保が課題となっている。
同振興局産業振興部林務課の鈴木悟主幹は「昨年、管内の高校から林業関係の企業に入社したり専門学校に進学した生徒がいる。若い人たちが林業を身近に感じる機会は少ないが、社会人に近づく高校生に林業をPRできれば」と話していた。