政府は13日、史上初めて将棋の八大タイトルを独占した藤井聡太八冠(21)に内閣総理大臣顕彰を贈ることを決めた。11月中旬に首相官邸で授与する。松野博一官房長官が記者会見で発表した。
受賞の決定を受け、藤井八冠は日本将棋連盟を通じ、「大変光栄なことと感じる。今後より一層精進し、将棋の魅力を多くの方に伝えられるよう活動していきたい」とするコメントを発表した。
藤井八冠は11日に王座を奪取し、全八冠を制覇。2017年に叡王戦が加わってタイトルが八つに増えて以降、初の快挙を達成した。
総理大臣顕彰は国家、社会に貢献し、顕著な功績のあった個人・団体が対象。1966年に創設され、これまでに35人、16団体が受賞している。将棋界では96年に当時の全七大タイトルを初めて独占した羽生善治九段に続く2例目。直近では今年4月に茶道裏千家前家元の千玄室氏に贈られた。
松野長官は会見で、盛山正仁文部科学相の推薦を受け、岸田文雄首相が授与を決めたと説明。「日頃のたゆみない努力と精進により偉業を成し遂げ、多くの国民に夢や希望を与えた。将棋の普及・振興を通じて、わが国文化の向上・発展に貢献した」とたたえた。