第2部 働く所員 4 個性合わせた対応心掛ける 「瞬時の判断、決断力必要」 製油二課 中村(なかむら)峰文(みねゆき)さん(46)

設備や部下の安全を第一に業務と向き合う中村さん

  主に重油の硫黄分を取り除く重油直接脱硫装置、低硫黄化した重油をガソリンや軽油などに分解する重油流動接触分解装置を運用する製油二課。苫小牧出身の中村峰文さん(46)は、一課と同様に1直約10人からなる4直2交代制の当直部署で、現場の司令塔となる直長を務める。

   直長は所長不在の宿直時、製油所構内の現場トップとして「所長代行」の役割も担う重要なポスト。2019年から就き、各装置の安全、安定運転の維持に尽力している。多くのモニターが並んだ構内情報集積基地プロダクションセンター内で、装置の管理・監視を行う「ボードマン」、現場巡回などを担う「フィールドマン」の傘下直員に的確な指示などを与えている。

   危険物と常に隣り合わせな部下たちの「命を預かる仕事」であり、直員の安全は当然、製品の安定供給に直結する。「たった一つの指示でけがをさせてしまう可能性もある。瞬時の判断、決断力が必要なんです」と気を引き締める。

   その上で「直員との信頼関係が大切。個人個人の考え方や性格を知らなければ、的確な指示はできない」とプライベートから積極的に交流を図り、個性に合わせた声掛けや対応を心掛ける。「日々勉強。きょうはちょっと言い過ぎたかなとか、反省の繰り返し」とはにかみながら、「一日何事もなく安全操業し、帰宅できたときがほっとひと息つける瞬間」と話す。

   入社当初を「トリガーを引けばガソリンが出てくるスタンドのイメージが強く、簡単に石油製品ができると思っていた」と回顧。知れば知るほど奥が深く、興味が尽きない仕事に、製油所の操業を支える柱になった今なお「一日一つは何か新しいことを覚えるとか、向上心を持ち続けるようにしている。それが安全、安定運転や仲間にけがをさせないことにつながるから」と意欲は尽きない。

  (終わり)

   (この企画は報道部・北畠授が担当しました)

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