NHKで不定期に放送される「魔改造の夜」のファンだ。「ワンちゃん」「ペンギンちゃん」のおもちゃや掃除ロボットなどの家電を”魔”改造し、疾走させたり、大縄飛びや走り幅跳びをさせたりし、速さや回数、距離を競う「技術開発エンターテインメント番組」。参加するのは一流企業のエンジニアやその卵ら。社や学校のプライドを懸け、技術やアイデアを注ぎ込み、改造といいながら全く別の独創的な怪物マシンに仕立てる。3年前の放送開始から見逃した回はない。
マシン自体も面白いが、引き込まれるのは改造の意外性とメンバーの成長、リーダーの決断だ。知恵を出し合って改造の方向性を決め、目標を目指す中で壁にぶつかり、解決の過程で互いの信頼を積み上げる。だが想定通りにはいかない。見る側もその苦悩と思いを共有する。
マシン作りで通じるものがある「高専ロボットコンテスト北海道地区大会」で苫小牧高専が26年ぶりに全道優勝した。OBの一人として心から祝福する。2日付本紙によると、破竹の勢いで勝ち上がり優勝を決めた。11月の全国大会では、ロボット製作と地区大会を通してひと回り成長したに違いないメンバーのチームワークと万全の準備でその実力を発揮してほしい。全国の頂点を念じる。(司)